北海道のコンテンツマーケティング成功事例解析【北海道Likers編】

北海道のコンテンツマーケティング成功事例解析【北海道Likers編】

今回取り上げるのは、北海道好きを増やすためのオウンドメディア『北海道Likers』。

企画の深さ、一貫してブレのない運営、制作スタッフ。どれも見習うべき点がたくさんあります。

運営会社の株式会社メンバーズが、基本戦略をわかりやすいスライドで公開してくれています。このスライドを参考に、サイトについて解析してみました。

北海道Likersの概要

運営会社 サッポロビール
企画制作 株式会社メンバーズ
発信する情報 北海道の魅力を発信

以下が公開中のスライドです。とても勉強になるスライドなので、ぜひ一度ご覧になってみてください。

「北海道Likers」の成長を支えるコンテンツ運用のPDCA from Members_corp

サイトの目的

まず、運営側、ユーザーの目的ごとに目的を洗い出し、北海道Likersが目指すべき姿を定義しています。

サッポロビール(運営者)が目指すもの

  • 北海道の情報発信
  • 北海道の活性化
  • 酒類事業の成長

ユーザーの求めるもの

  • 北海道の魅力発見
  • 積極的な参加
  • 旅行、購買、転居などによる道内での経済消費

それぞれの目指すものを突き合わせ、メディアの存在意義を以下のように定義しています。

北海道を盛り上げ、北海道の経済成長(=北海道への貢献)を 実現し、サッポロビールの国内酒類事業の成長に寄与する。
メディア展開において、ビジョン・ミッションの定義はとても重要です。迷ったときに、ビジョン・ミッションに準じているかが判断材料になるからです。

基本戦略

北海道Likersでは、ペルソナを2つ定義しています。LoversペルソナとLikersペルソナの2種類です。

  • Loversの役割 – 巻き込む、参加してもらう、シェアしてもらう
  • Likersの役割 – 記事を楽しんでもらう、いいね!してもらう

このようにユーザーの熱量ごとに、ユーザーに求める行動を分けています。基本的に記事を届ける対象としているのは、Loversとのことです。

Loversをターゲットにした共感を生む記事を届けることが、結果的により多くのターゲット(Likers)に届くことになる

自分が本当に好きなものは、他の誰かにも理解してもらいたいものです。『他の誰かにわかってもらいたいほど好き』という層をLoversと定義して、Loversがもつ行動欲求に沿うことで、コンテンツの拡散に繋げています。

共感を生みだす記事戦略

記事の構成も、Loversの拡散欲求に沿うような工夫が盛り込まれています。これは、Loversに届けるという目標が定まっている上でのひとひねりなので、ありきたりではないにもかかわらず印象のブレがありません。以下、スライドから引用します。

  • ベタな観光地でもちょっと違う視点で「ありきたりでない」を大切に
  • 現地ライターだからこその「説得力」がある記事。情報格差を記事のバリューに
  • ありきたいな観光情報の裏側にある共感できるストーリー
  • 北海道在住のLoversに向けた「道民あるある」

KPI

北海道Likersでは、以下のような項目をKPIとして設定しているようです。

  • ページビュー数
  • Facebookセッション数
  • オーガニックセッション数
  • Facebook/Webアクション数

シンプルな目標がやることを明確にし、チームを一つにする。施策に迷いがなくなる。学びと改善が進む。

このスライドは学ぶことが多いですね。目標を多く設定しすぎると、結果的に達成しているのかしていないのかわからなくなるケースがあります。シンプルであれば、運営もクライアントもごまかしがきかず、数字に対しての覚悟が定まります。

データ

2018年8月のサイトデータは以下の通りです。

合計訪問数 186,941
ユニーク訪問者数 113,067
平均滞在時間 1:02
ページ / 訪問者 1.74
直帰率 80%

※similarwebより

流入元として、ソーシャルトラフィックの10%が台湾のSNS「plurk」によるものでした。全体の15%ほどが海外からの流入となっており、インバウンド施策としても貢献していることがわかります。

まとめ

北海道Likersは、メディアとしての定義、行動目標、運営体制。どれをとっても学ぶべき点がたくさんあります。とくに戦略定義の部分が明快なので、トーンから記事にいたるまで迷いのなさが感じられました。メディア構築を検討する際は、まず参考にすべきに素晴らしいメディアです。