北海道のコンテンツマーケティング成功事例解析【北海道Likers編】
- 2018.08.14
- コンテンツマーケティング
今回取り上げるのは、北海道好きを増やすためのオウンドメディア『北海道Likers』。
企画の深さ、一貫してブレのない運営、制作スタッフ。どれも見習うべき点がたくさんあります。
運営会社の株式会社メンバーズが、基本戦略をわかりやすいスライドで公開してくれています。このスライドを参考に、サイトについて解析してみました。
北海道Likersの概要
運営会社 | サッポロビール |
企画制作 | 株式会社メンバーズ |
発信する情報 | 北海道の魅力を発信 |
以下が公開中のスライドです。とても勉強になるスライドなので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
サイトの目的
まず、運営側、ユーザーの目的ごとに目的を洗い出し、北海道Likersが目指すべき姿を定義しています。
サッポロビール(運営者)が目指すもの
- 北海道の情報発信
- 北海道の活性化
- 酒類事業の成長
ユーザーの求めるもの
- 北海道の魅力発見
- 積極的な参加
- 旅行、購買、転居などによる道内での経済消費
それぞれの目指すものを突き合わせ、メディアの存在意義を以下のように定義しています。
北海道を盛り上げ、北海道の経済成長(=北海道への貢献)を 実現し、サッポロビールの国内酒類事業の成長に寄与する。
基本戦略
北海道Likersでは、ペルソナを2つ定義しています。LoversペルソナとLikersペルソナの2種類です。
- Loversの役割 – 巻き込む、参加してもらう、シェアしてもらう
- Likersの役割 – 記事を楽しんでもらう、いいね!してもらう
このようにユーザーの熱量ごとに、ユーザーに求める行動を分けています。基本的に記事を届ける対象としているのは、Loversとのことです。
Loversをターゲットにした共感を生む記事を届けることが、結果的により多くのターゲット(Likers)に届くことになる
自分が本当に好きなものは、他の誰かにも理解してもらいたいものです。『他の誰かにわかってもらいたいほど好き』という層をLoversと定義して、Loversがもつ行動欲求に沿うことで、コンテンツの拡散に繋げています。
共感を生みだす記事戦略
記事の構成も、Loversの拡散欲求に沿うような工夫が盛り込まれています。これは、Loversに届けるという目標が定まっている上でのひとひねりなので、ありきたりではないにもかかわらず印象のブレがありません。以下、スライドから引用します。
- ベタな観光地でもちょっと違う視点で「ありきたりでない」を大切に
- 現地ライターだからこその「説得力」がある記事。情報格差を記事のバリューに
- ありきたいな観光情報の裏側にある共感できるストーリー
- 北海道在住のLoversに向けた「道民あるある」
KPI
北海道Likersでは、以下のような項目をKPIとして設定しているようです。
- ページビュー数
- Facebookセッション数
- オーガニックセッション数
- Facebook/Webアクション数
シンプルな目標がやることを明確にし、チームを一つにする。施策に迷いがなくなる。学びと改善が進む。
このスライドは学ぶことが多いですね。目標を多く設定しすぎると、結果的に達成しているのかしていないのかわからなくなるケースがあります。シンプルであれば、運営もクライアントもごまかしがきかず、数字に対しての覚悟が定まります。
データ
2018年8月のサイトデータは以下の通りです。
合計訪問数 | 186,941 |
ユニーク訪問者数 | 113,067 |
平均滞在時間 | 1:02 |
ページ / 訪問者 | 1.74 |
直帰率 | 80% |
※similarwebより
流入元として、ソーシャルトラフィックの10%が台湾のSNS「plurk」によるものでした。全体の15%ほどが海外からの流入となっており、インバウンド施策としても貢献していることがわかります。
まとめ
北海道Likersは、メディアとしての定義、行動目標、運営体制。どれをとっても学ぶべき点がたくさんあります。とくに戦略定義の部分が明快なので、トーンから記事にいたるまで迷いのなさが感じられました。メディア構築を検討する際は、まず参考にすべきに素晴らしいメディアです。
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