北海道のコンテンツマーケティング成功事例解析【ホクレンホームセンター編】
- 2018.08.26
- コンテンツマーケティング
北海道のコンテンツマーケティング成功事例の解析、2回目です。前回は北海道Likersを取り上げました。今回取り上げるのは、ホクレンホームセンターで運営しているオウンドメディアです。
ホクレンホームセンターのメディアは、家具のTIPSなどを中心に配信しています。
メディアのデータ
まず、2018年7月のデータを解析してみました。
メディア公開日 | 2015年7月頃(旧ブログの引き継ぎあり?) |
記事数 | 150前後 |
訪問者数 | 39,995 |
平均滞在時間 | 0:48 |
ページ/訪問者 | 2.21 |
直帰率 | 79.55% |
Facebookいいね数 | 432 |
インスタグラムフォロワー数 | 52 |
※similarwebより。
約3年ほど運用しているようですね。PVは月間9万といったところでしょうか。企業の知名度、充実したweb展開のわりには、SNSのフォロワー数が少ないように見受けられます。
メディアの制作の経緯
メディア制作に至った経緯などについて、記事が公開されていました。
当記事からわかる各種データはこちらです。
メディアの目的
記事内の担当者インタビューによると、以下を目的とした展開のようです。
- これまで「読者にとって有益な情報発信」ができていなかった
- オウンドメディアを軸とした、潜在的なお客様への多角的なアプローチ
メディアの効果
展開後の効果について、以下のように語られています。
- 厳密な意味での効果は「未だ測ることができていない」
- 以前と比べて店頭におけるお問い合わせは着実に増えている
- コンテンツマーケティング本格開始以来アクセス2倍
効果検証がやや曖昧になっているように見受けられます。メディアの目標を検索からの流入増加にとどめず、段階ごとの指標があると効果検証もしやすくなるのではないでしょうか。
今後の施策を勝手に考えてみる
インタビューやデータ計測でも分かる通り、コンテンツマーケティングの実施でサイト流入は増えているようです。ただ、最終的な目標や計測方法について定まっていないとのことでした。そこで、段階的なKPI設定を仮定してみます。
段階的KPIの設定
KPIの段階的設定として以下のようなケースが考えられます。
- 第一フェーズのKPI:記事数
- 第二フェーズのKPI:検索エンジンからの流入数
- 第三フェーズのKPI:リピーター数
- 第四フェーズのKPI:実店舗への誘導
第一フェーズ、第二フェーズは達成していると仮定します。次のフェーズは、リピーター数の計測、および実店舗への誘導数の計測です。
最終的なKPIは、実店舗への誘導です。ホクレンホームセンターではネットショップがないため、サイト上で直接の購買行動はできないためです。
リピーター数を増やすには
リピーター数を増やすには、ホワイトペーパーやクーポン配布などが考えられます。たとえば以下のような方法です。
- 家具のリペア術集、無料PDF配布
- ホクレン家具のカテゴリ別人気商品、無料PDF配布(裏情報的な情報)
- 雑貨プレゼントクーポン(このメディアだけで手に入るもの)
取得したメールアドレス宛に、一定期間経過後に追加で有益な情報を配信します。何度か繰り返して見込み客との距離を縮めます。
メディアのターゲティング
リアル店舗への誘導が前提なので、メディアのターゲットは札幌近郊に住む人です。しかし展開しているコンテンツは、全国向けのものが多いようです。本来は札幌の競合とのみ戦うのが理想ですが、メディア上では全国のコンテンツマーケティングを展開する家具業者と戦わざるを得ない状況になっています。
とはいえ、ホクレンホームセンターのコンテンツを札幌近郊向けに絞るのはなかなか難しそうです。購買を検討する際、たとえば『札幌 学習机』などに加え第三キーワードを入力するケースが少ないと思われるためです。
地域キーワードの強化
サジェストを見ても、購買を考えていると思われる見込みキーワードはほとんどありません。ブログ系のコンテンツマーケティングの泣き所は、そもそもの検索が少ない場合です。検索する人がいないキーワードで上位表示されても、何の意味もありません。
今回のように、『地域のリアルユーザーがターゲットなのに、ユーザーが地域属性のキーワードを使わない』というケースは、展開に頭を悩ませます。
いくつか『札幌』属性を強化する記事は見受けられましたが、ターゲットキーワードはそれほど明確ではないようです。
- 昭和ノスタルジーが札幌に!アンティーク家具とレトロが詰まった夢のお宅へ再訪
- 模様替えの参考に!真似したい札幌のおしゃれなインテリアのお店3選
- 究極のリラックスチェア!世界中で愛されるストレスレスチェア®を札幌で体感
お宅訪問はシリーズ化が考えられる良い施策ですね。チェア、学習机など、組み合わせによってコンテンツが狙う対象検索ワードを広げられそうです。その他、インテリア関連で地域属性を強化するなら、以下のような方法でしょうか。
- お宅訪問(インテリア紹介。シリーズ化)
- 修理、メンテナンス紹介など、来店につながる記事
- 地域の商品やサービス取扱店の紹介(自社にしばられない情報)
サジェストを確認しながら、記事タイトルを選定します。地域記事を積み重ねることで、「地域+ビッグキーワード」(例:札幌+学習机)などでの検索エンジンの評価向上を目指します。
SNS運営の強化
先に上げたデータの通り、企業の知名度とフォロワー数が比例していません。ここは大きな可能性を秘めた部分です。対象地域への広告配信やキャンペーンで、見込み客に絞ったフォロワー数増加が考えられます。
SNS広告展開
記事に対して、FB広告の出稿が考えられます。記事型広告は、SNS広告ととても相性が良いことで知られます。広告から直接購買ページに飛ばすのではなく、広告→記事→購買ページという流れを狙います。今回の場合は、広告→記事→商品紹介ページという流れです。
まとめ
ホクレンホームセンターのオウンドメディアは、ひとつひとつ練られた良い記事が揃っています。各種SNS運営の強化、実店舗との連動キャンペーン企画など、これからたくさんの展開が期待できそうです。
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